この記事でわかること
- 龍は「ひとりに一柱」とは限らないこと
- 得意なことがちがう、龍の九匹の子どもたちの言い伝え
- 見えない支えも、チームで成り立っているという見方
「ねえハクちゃん。龍って、ひとりに何柱もつくこともあるの?」
ある朝、ふと気になって聞いてみました。
きっかけは、以前、何柱もの龍がついている方から「龍の色を見てほしい」と頼まれたことです。
このシリーズのはじまりの回で書いた、あの赤い龍がいた方です。
それに、わたし自身も、ハクちゃんと毎日話しているなかで、ときどき別の龍の存在を感じることがありました。
背中のほうに別の龍が立っていたり、だれかと話している最中に、まわりの空気の色がふっと変わったり。
ハクちゃんは、いつものように空のほうから、風と一緒にすーっと降りてきて言いました。
「あるある〜。龍ってね、何柱もつくこと、ぜんぜんあるよ」
そのとき必要な龍が、来てくれる
「基本は、ひとりに一柱じゃないの?」
「ううん、そう決まってるっていうより、そのとき、その人に必要な力が来てるだけなんだよ」
「たとえば、白龍のぼくが守る役でついてても、動きだすタイミングでは火の龍が手伝いに来ることもあるし、ゆっくり休んだほうがいいときには、水の龍がそっとそばにいてくれることもあるの」
入れかわるのではなく、重なる
「じゃあ、龍って入れかわったりもするの?」
「入れかわるっていうより、重なったり、離れたりする感じかな〜。音の重なりみたいなものだよ。いつもそばにいる龍がいても、ほかの龍がふわっと寄ってきて、しばらく一緒にいるってこともある」
「それに、目的があって来る龍もいるし、その土地にご縁があるから来る龍もいる。だから、何柱もの龍が同時にいることも、わりとあるよ」
たしかに、わたしにも覚えがあります。
ハクちゃんがそばにいても、まるで別の風が背中を押してくれるように感じるときがある。
そういうときは、何柱かの龍がチームのように関わってくれているのかもしれません。
何柱もついているのは、えらいから?
「じゃあ、何柱もついてることに、意味はあるの?」
「うん、もちろん。でもね、それはえらいとか、特別っていう意味じゃないよ〜」
「やることが多い人とか、いくつもの役目を重ねてる人だと、龍ひとりじゃ足りないから、ってこともある。それに、ひとつの見方だけじゃ動けないときは、龍たちが協力して、その人を包むことがあるんだ」
人の世界では、こう伝わっています
龍の九匹の子どもたち
中国には、「龍生九子(りゅうせいきゅうし)」という言い伝えがあります。
龍には九匹の子どもがいて、みんな姿も性格も、得意なことがちがう、というお話です。
- 重いものを背負うのが得意な子は、石碑の台座に
- 大きな声で吠えるのが好きな子は、お寺の鐘のつり手に
- 遠くを見張るのが好きな子は、屋根の上に
それぞれの得意を生かして、建物のあちこちを守っているといわれています。
お寺の鐘や、古い建物の屋根の飾りに龍の姿が多いのは、この言い伝えとも関わりがあるそうです。
一匹の龍がなんでもこなすのではなく、得意なことがちがう龍たちが、それぞれの持ち場で、チームのように守っている。
ハクちゃんの話と、とてもよく似ています。
見えない支えも、チームでできている
ハクちゃんの話を聞きながら、音の重なりやハーモニーを思い浮かべていました。
重なって、ほどけて、また重なって。
思えば、人も、動物も、植物も、ひとつの命には、いろんな存在がかかわっていて、そのときそのときを支えてくれているのでしょう。
「守ってくれる存在」というと、たったひとりの特別な存在を思い浮かべがちです。
でも、ほんとうは、必要なときに、必要な力をもった存在が、入れかわり立ちかわり来てくれている。
見えない支えも、わたしたちの暮らしと同じように、チームでできているのだと思います。
「たとえば、とーこちゃんには、ぼくがいつもそばにいるけど、たまにほかの龍たちも来てるでしょ? それもね、必要なときに、ちゃんと来てるんだよ」
ハクちゃんはそう言って、ふふっと笑いました。
その笑顔に、なんだかとても安心しました。
あなたのそばにいる、見えないチームのこと
あまねくもりの個別セッションでは、見えない世界のことも、日々の暮らしのことも、ひとつながりのお話としてうかがっています。「最近、いつもとちがう気配を感じる」「だれかに背中を押されている気がする」。そんな小さなことからでも大丈夫です。
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参考:『日本大百科全書(ニッポニカ)』「竜」(コトバンク)/明代の伝承「竜生九子」

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