この記事でわかること
- 『老子』の「道は一を生じ、一は二を生じ…」という、いのちの始まりの考え方
- 『九天生神章経』にある、三つの気から九つの天が生まれる物語
- 天からも、家族からも手渡されてきた「いのちのバトン」という見方
「なんで私は、この家族に、このからだで生まれてきたんだろう」
家族の顔を思い浮かべたとき。
自分の体質に、親や祖父母の面影を見つけたとき。
ふと、そんな問いが浮かぶことはありませんか。
道教には、この問いに、とても大きなスケールで答えようとする物語があります。
宇宙の始まりから、あなたのいのちまで。
今日は、その長いリレーのお話です。
※この記事は、道教の考え方を紹介する読みものです。医療の代わりではありません。からだの不調や体質について気になることがあるときは、医療機関に相談してください。
ひとつの始まりから、三つ、そして九つへ
『老子』の「一、二、三」
道教のもっとも古い書物のひとつ『老子(ろうし)』に、こんな有名な一節があります。
「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生ず」
すべての始まりには「道(タオ)」がある。
そこからひとつが生まれ、ひとつからふたつ、ふたつからみっつ。
そしてみっつから、この世のあらゆるものが生まれてくる。
あなたも、その「あらゆるもの」のひとつです。
三つの気から、九つの天へ
この考え方は、その後の道教で、もっと具体的な物語になっていきます。
シリーズで何度かご紹介した『九天生神章経』では、はじまりの混じりけのない気が三つに分かれ、それぞれがまた三つに分かれて、九つの気になると語られます。
その九つの気が、九つの天になった。 → 【目覚めの胎内記憶】母親のお腹の中で、私たちが宇宙から受け取っていた「9つの光」
そしてその九つの天の神々が、お腹の中のいのちに、ひと月ずつ気を授けていく。
あまねくもりでは、この神々を「天生神」と呼んでいます。 → 私たちが「とつき(十月)」をかけて生まれてきた理由。胎内で始まる10の愛のステップ
ひとつ → 三つ → 九つ → あなた。
宇宙の始まりと、あなたのいのちは、一本の線でつながっている。
道教の世界では、そう考えられてきたのです。
あまねくもりの読み解き:天から手渡されたいのちのバトン
長い長いリレーの先に
あまねくもりでは、この物語を「天から手渡されたリレー」と読み解いています。
いちばんはじめの気から始まったバトンが、三つの気へ、九つの天へ、天生神の手へと渡されていく。
そして十か月のあいだに、ひと月ずつ、あなたのいのちに届けられた。
長い長いリレーを経て、そのバトンは今、あなたの手の中にあります。
バトンは、家族を通っても届いている
リレーの道すじは、天からだけではありません。
父と母、祖父母、そのまた前の人たち。
何代もの人が、途中でバトンを落とさずに走ってきたから、今あなたがここにいます。
そしてその一人ひとりもまた、天生神に十か月かけて組み立てられ、生まれてきた人たちです。
天からのバトンと、家族からのバトン。
あなたの手の中では、その二つがひとつに重なっているのです。
家族に似ている体質も、性格のくせも、そのリレーの途中で受け取ったもの。
うれしいものも、ちょっと困るものも、全部まとめて手渡されています。
受け継いだものとのつき合い方は、こちらで書いています。 → 【感情と五臓】家系的な不安を「ご先祖様からのメッセージ」として読み解くタオの智慧
「選ばれてここにいる」ということ
「選ばれてここにいる」と思うのは、少し照れくさいかもしれません。
でも、宇宙の始まりから九つの天、何代もの家族。
これだけ長いリレーの先に、今あなたが立っているのは確かです。
どこかでひとりでも足を止めていたら、このバトンはあなたに届いていません。
そう思うと、「なんで私はこの家族に」という問いが、少しだけ、「この家族がつないでくれたから私がいる」に変わってきませんか。
バトンを持っていることを思い出す
こんなふうに、リレーをさかのぼってみてください。
- 父方・母方から、思い浮かぶ人をひとりずつ思い浮かべます。(会ったことがない人でも、名前を知らない人でもかまいません)
- その人たちのさらに向こうに、九つの天と、ひとつの始まりの気を思い浮かべます。
- 「つないでくれて、ありがとう」と心の中で言います。
特別なことは何もいりません。
あなたは今日も、天からも家族からも手渡されたバトンを持って、ここにいます。
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参考:『老子』第四十二章、『洞玄霊宝自然九天生神章経』(三気・九気・九天の説)。「バトン」の見方は、あまねくもりの読み解きです。

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